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仕事は自分で創る
嶋田郁美(えちぜん鉄道アテンダント)

【参考】

 2000年12月、福井県の京福電鉄永平寺線で列車同士が正面衝突、さらに半年後にも同線で正面衝突事故が起こってしまい、国土交通省から全線運行停止命令が出され、累積赤字も災いして廃線となった。

 沿線住民は交通手段を失い、さらに代行バスの増加で沿線道路は大渋滞を引き起こした。まさに陸の孤島化した地域を解消すべく、第3セクターとして「えちぜん鉄道(えち鉄)」が誕生することとなった。

 しかし、えち鉄は全41駅のうち、無人駅が26駅もあるうえに、国が要求するバリアフリー対応の駅はほとんどなく、電車とホームの間が大きく開いている駅や列車は1両か2両のワンマン運転という典型的な田舎鉄道である。

 そこで、乗降補助もできるアテンダント(女性乗務員)を導入することで、無人駅での切符の購買も手助けし、そのサービスをアピールポイントにしようということになった。ところが、初めてのアテンダント制度の導入であるため「観光案内・乗降補助・切符販売」という3つの業務だけは事前に決められていたのだが、その内容の詳細は、「あなたたち自身で考えてほしい」と会社から言われた。

 すべてが手探り状態であった。マイクでアナウンスをしても、乗客から「うるさい」としかられ、静かにしていると「立っているだけで何も仕事をしていない」と指摘を受ける。日差しが強くて日よけを下せば「風景を眺めているのに」と不興を買う。

 そこで、勤務時間が違い、全員が顔を合わせる機会もないので、アテンダント部屋に「情報交換ノート」を置き、こんなことをお客様から質問されたらみんなはどう答えているのかなど、日々の業務で疑問に感じることを書き込んで、アテンダント全員で意見交換したり、解決法を探し出したりした。

 こうして、学習したことや経験したことを、アテンダント全員で共有することにより、全員が成長し、最終的には統一した接客マニュアルを作成した。

 体の不自由な方から「手すりのある駅でないと乗り降りできないので、一つ手前の駅を利用している」と聞けば、ただちに日報で会社に報告した。アテンダントはお客様の声をとらえる「アンテナ」であり、お客様と会社をつなぐ「パイプ」でもある。「自分なら、どう対応されるとうれしいか、安心できるか」を常に念頭に置いて接客している。

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