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[Vol.75] 2008.10.16

仕事のプロになるための成功法則99

行くか戻るかが人生の分岐点(プラス思考・マイナス思考(1))

  昔、2人の若い百姓がいました。働いても働いても楽にならない暮らしに嫌気がさし、百姓を捨てて上方に出ようということになり、村を抜けました。
 苦労の末、上方の街並が見える地点まで来た時、2人は抱き合って喜びました。もうへとへとでした。のどはからからでした。近くに農家がありました。水を飲ませてもらおうと、訪ねました。家人は答えました。「ああ、いいよ。そやけど1杯一文もらうさかい」2人は開いた口が塞がりませんでした。
 しばらくひそひそ話し合ったのち、熊さんは水も飲まず、肩を落としてもと来た道を一人で戻り始めました。八っつぁんは熊さんを見送った後、立てつづけに3杯の水を飲み、三文払って上方目指して歩き始めました。2人の若者の人生が、ここで大きく分かれたのです。

 何があったのでしょう。2人は何を話し合ったのでしょうか。熊さんは言いました。「おらたちの村じゃ、困ってれば水だってイモだって分け合ったもんだ。水1杯で一文取るなんて、人間のやることじゃねぇ。おら、上方が恐くなった。上方へ行ったって、きっといいことなんかねえ気がする。おら、帰る」
 八っつぁんは言いました。「上方っつうところはおもしれえなあ。ただの水が商売のタネになるんだなあ。これならおらだって身を立てることができるかもしんねえ。いっちょう、やってやろうじゃねえか」
 誰もが人生で、この話と同じような局面を体験します。熊さんは水を飲んだら金を取られるという初めての体験を通して、まだ行ったこともない上方を恐れ、臆病になっています。上方のいやな面や恐い面ばかりを想像して行く前からすでに負けています。
 一方の八っつあんは、熊さんと同じ体験をしたにもかかわらず、まったく逆のとらえ方をしています。上方はおもしろそうだ、何かいいことあるんじゃないか、と希望を膨らまかせています。行けば何とかなる、いや何とでもしてみせるという自信まですでに持っているかのようです。

 2人のその後の人生はどうなったでしょう。
 熊さんは故郷へ帰って、百姓に戻りました。貧しい生活に愚痴をこぼしながら暮らしました。おもしろいことは何もないという暗い顔になり、10年後にはまだ若いはずなのに精気のない老人のようになっていました。
 一方、八っつあんは上方で商家の丁稚になりました。明るくて気が利くところが店主に買われ、また商売の才覚もあったようで、手代、番頭と出世し、10年後には店を任されるまでになりました。

 熊さんの本当の名はマイナス思考と言います。そして八っつあんの実名はプラス思考と言います。
 どちらの人生がより豊かで楽しいかは、誰が考えても明らかでしょう。あなたはプラス思考、マイナス思考、どちら側の人間でしょうか。

(感想)
私は、人生は取捨択一の連続だと思います。この文章のように、自分にとって転機となるチャンスを逃さないようにしたいものです。

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