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[Vol.40] 2007.05.01

仕事のプロになるための成功法則99

小事こそ大事

 瀬川は入社5年、同期の中でも能力は上のほうだという自負があります。しかし上司はそれを認めてくれません。

 瀬川の仕事にホチキスのとめ方がなっていないとか、机の上が乱雑だ、片付けなさいと必ず口出ししてきます。重箱の隅を楊枝でほじくるように細かいことを言ってきます。

 確かに小さなところでのミスやポカはある、それは自分でも反省しています。しかしそれはいわば枝葉にすぎない問題です。”課長は神経質すぎる。”これが瀬川の不満のタネでした。

 ある日、課長が「この本を読んでみなさい」と言って、1冊の本を瀬川に手渡しました。山本周五郎の短編小説集です。

 気がすすみませんでしたが、読んでみることにしました。「ゆだん大敵」という短編の中に、次のようなくだりがありました。

 ――剣道の師範が5人の弟子を育てるよう主君から命じられました。その日課が変わっています。朝3時起床。朝食までの3時間、道場の隅から隅までみっちり掃除。朝食後城に戻り、帰ってまた掃除。肝心の剣の稽古は一切ありません。あとは薪割り、畑作り、習字、火桶の炭の切り方つぎ方。そして徹底した身辺整理。毎日朝から晩まで、雑事の繰り返しばかりです。

 一人の弟子が師に尋ねました。「私はここに剣を習いに来たのであって、掃除を学びに来たのではありません」この弟子は剣の腕が立つ若者でした。他の弟子たちもものかげに隠れて、なりゆきを見守っています。みんな思いは同じです。師はこう答えました。

 「剣法には免許がある。学問にも卒業がある。しかし武士の道には免許も卒業もない。ご奉公には始めはあるが終わりはない。この容易ならぬことを終生ゆるぎなく持続する根本は何か。それは生き方だ。その日その日、時々刻々の生き方にある。・・・掃き掃除も所持品の整理もその一つひとつは決して大事ではない。けれどもそれらを総合したところにその人間の”生き方”が表れる。取るに足らぬと見える日常瑣末なことが実はもっとも大切なのだ」

 弟子は、師の本心を知りました。武士の道の厳しさを悟りました。そして涙をぼろぼろと流しながら自らの非を師に詫びたのです。

 瀬川は上司がなぜ自分にこの小説を読むように薦めたかがよくわかりました。

 それ以来、瀬川の仕事からポカやミスがなくなりました。もちろん課長の細かい口出しもなくなりました。

 今、係長に昇進した瀬川は自分の部下に必ず山本周五郎のその小説を読ませているそうです。

 仕事の周辺の枝葉のこと、細かいこと、小事に手を抜かない社員になりましょう。取るに足らないと思える日常の瑣末なことをしっかり行いましょう。

(感想)
 自分もポカミスはかなりありますので、小事の積み重ねこそが大事に至る、と言う事を常日頃から意識し、業務に励むようにします。

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