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[Vol.36] 2007.03.01

仕事のプロになるための成功法則99

"独走"と"積極性"の違い

 谷本は仕事ができる男でした。上司もまわりも一目置いています。しかし谷本は大きい欠点を持つ男でもありました。
 「谷本君、A社への企画書の下書き、知らないかな?」と係長。「あっ、それなら係長の机の上にあったんで、ワープロ打ちしておきました。納期が日曜日になっていたので、係長の勘違いだと思って、月曜日に変更しておきました」「いや、日曜日でいいんだ。先方のたっての要望だから」「えっ、そうでしたか」「まぁ、直して送ればいい」「いえ、もう送っちゃったんです」「何だって?」「先方から電話がありまして、係長がいなかったので私がでました。ファックスで送れと言われたものですから」係長は怒りました。「誰がそうしろと言ったんだ。勝手なことをするな」
 この後すぐ係長はA社の担当者に電話を入れ、不手際を何度も頭を下げて謝りました。

 谷本の欠点は"独走癖"です。自分で勝手に判断して、上司の許可も得ずにことを進めたがる性格です。似たようなことを、ちょくちょく起こします。このため能力は高いけれど、上の評価がいまひとつよくないのです。
 言われたことしかしない、言わないと何もしない人はダメ社員です。仕事ができる人とは考えて仕事をする人です。谷本は常に「どうすればいいか」を考えて上司に言われる前に積極的に仕事をしているようです。いちいち言われないと動かない社員と比べると優秀です。しかし組織人としては失格です。

 会社はタテ社会です。社長の考えに基づいた方針を、上司から部下へ意思統一をしながら仕事を進めていきます。その中で、社員の裁量や権限は制限されています。たとえ仕事でも好きなようにはできません。上司の許可なく、行きたいところに勝手に行ったり、したい仕事だけしてしたくない仕事はしないといったことはできません。
 自分でうまくやれるからと自分の能力を過信すると、結局は自分勝手な行動となり、会社に迷惑をかけることになりかねません。たとえ会社のためによかれと思っても、逆に「あいつはいつも余計なことをする」と信用を落とします。
 独走する人は組織の上下関係を乱します。命令報告という組織の基本ルールを無視して行動します。組織をめちゃくちゃにする独走者はマイナスの存在であり、たとえ仕事の成果を上げていても、切り捨てられるべき人です。

 上司は自分にきちんと情報を伝えてくれる部下を信頼します。信頼する部下には「ここまでは君の裁量に任せる」と仕事の範囲を広げてくれます。後ろめたい気持ちで独走することはないのです。

 組織の一員であることを自覚しましょう。アイデアや工夫改善は実行する前に上司に伝えましょう。「こうしたいのですがよろしいでしょうか」と許可を得ましょう。自分がしていることを頻繁に上司に報告しましょう。

(感想)
 たくさんの仕事をこなしていくと、自分の能力を過信しがちになります。そして、責任をとれる範囲を見失ってしまいます。
 そうならない為に、誰が最終責任者なのか。独りよがりで自己満足に陥っていないか。チームプレイをしているか。報告を怠っていないか。何度も自分に問いかけて、信頼して仕事を任される社員になれるよう頑張ります。

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